地域ぐるみで取り組む道徳教育
伊藤です。
5月23日(火)、「北方町青少年育成・地域ぐるみの道徳教育推進協議会」という会議に出席してまいりました。
講師に岐阜県道徳教育振興会議 会長の大平橘夫氏を迎え、ユーモアも交えながら実に勉強になるお話を聞かせていただきましたので、是非その内容をご紹介したいと思いますので以下に抜粋して箇条書きで紹介いたします。
◎子どもの心も体も危ない今
やる気になれない子どもたち…夢が持てない、意欲に欠ける、不登校、、、
工夫ができない子どもたち...アイデア、夢が無くても人がやってくれる社会。
自分で決められない子どもたち...人に決めてもらう、めんどう
利己的で善悪のけじめが無い子どもたち...我儘を集団の中でも通そうとする。
◎なぜ子どもが危うくなったのか
①基本的生活習慣の崩壊
日本人の子どもは世界で一番テレビを見る時間が長い。勉強時間が少ない。お手伝いをしない。
②食習慣の崩壊
インスタント食品、ファーストフードファミリーレストラン、、、
③子育て理念の崩壊
自由と我儘の区別の喪失
放任、わがまま、義務や責任のない自由、お手伝いさせない、、、
◎子どもを不幸にする一番確実な方法、それは、いつでも何でも手に入れられるようにすることだ(ルソー)
◎家庭と社会と学校で「誰もが大切」を教え、躾け、鍛える環境を打ち立てる
生きる型を教えて強い子を育てる
①日常の立ち居振る舞いの改善で自分と人を大切にする態度を培う。
・相手を大切にしていることがはっきりと伝わるような挨拶、返事、感謝、尊敬な どを習慣化すること。
・人と自分を大切にしていることがはっきり分かるような行為(お手伝い、奉仕など)を習慣化すること。
②生活習慣の改善
早寝、早起き、朝ごはん
③食生活の改善で確実に賢く心身が健やかな子どもをつくる。
◎なぜ型を教えるのか...体験を通した基本の型が主体性や創造性の基になる。
①人は型を土台に成長する。⇒守・破・離
・作法や礼節は人間関係を保つ基本の型。
・掃除にも挨拶にも発言にも返事にも礼儀にも、全てに望ましい基本的な「型」と「意味」がある。
②自分と同じように人を大切にする子を育てる。
・自己肯定感を身につける…できる自分、人の役に立つ自分
◎どうやって教えるのか?
「教え、納得させ、やらせ、喜び合う」を常時繰り返す。
「教え」...型(手本)と意味を教える
「納得させ」...必ず子どもにとって良いことであると納得させる
「やらせ」..まず型の通りにやらせる。成功させる。達成させる。
「喜び合う」…できた、進歩した感動を伝える。(褒めるとは褒め言葉を言うことではなく、感動を伝えること) 感動は瞬時に伝える。
◎何に気を付けて教えるのか?
・目上の人への尊敬...先生や親は友達ではない。対等に接しない。敬語を使わせ友達感覚を止める。
・注意にはきちんと従わせる...従わないままの放置は従わなくてもよいということを教えていること。
・「やってはならぬ、やらねばならぬ、ならぬことはならぬものです」...やりたくてもやってはいけないことを我慢し、やりたくなくてもやるべきことをせいいっぱいやりながらそこに意味を見出すよう教えることが大切。
箇条書きにしてしまうと味気ないように感じますが、実際の講話では大平先生のとても情熱的で、ユーモアにあふれた、それでいて子どもたちへの慈愛に満ちた話しぶりは聞いている私の心の奥底に響いてくるものでした。
PTA会長という立場があったおかげでこのような講演を聞く機会に恵まれましたことに感謝したいと思います。
ありがとうございました!